第73章 手懐けにくい

「山口咲良、早く言ってよ。ほかに何を知ってるの?」

女子のひとりが山口咲良の腕をつついた。

「その男、毎月田中未菜にいくら渡してるの? あんなブサイク相手に、田中未菜もよくやるよね」

橘結衣は女子トイレの入口に立ち、中の会話を一言も漏らさず聞いていた。

こんな状況なのに、山口咲良はまだここで好き勝手に噂を垂れ流す気らしい。

本当は関わるつもりなんてなかった。動画はもうネットに上がっている。じきに、誰もが真相を知る。

それでも、山口咲良の声は止まらない。

「男、金は持ってるんじゃない? 田中未菜、ホテル行ってる回数も多いし」

「そうそう。前にバーで、田中未菜があいつとキスしてる...

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